トリコチロマニア(抜毛症)とは?原因や治療法を詳しく解説

掲載日:2020.10.14 更新日:2020.10.19

この記事の監修 アンファー株式会社

薄毛にはさまざまな原因がありますが、トリコチロマニアもそのひとつ。トリコチロマニアとは抜毛症とも呼ばれ、自分で体毛を抜いてしまう病気の一種です。具体的な原因は未だにわかっていませんが、適切に対処することで改善を目指すことができます。そこで今回は、トリコチロマニアの症状や原因、治療について解説します。

トリコチロマニアとは?

トリコチロマニア(抜毛症)は頭髪やまゆ毛、まつげといった体毛を自分で引き抜いてしまう病気です。美容目的とは違いストレスが大きな要因となっており、髪を抜くという行為が癖になってしまうため、脱毛症のように薄毛になってしまうことも。

痛みを感じることは少なく、毛髪を抜くことで開放的な気分やストレスの発散をしていると指摘されています。

多くは寝ている間や無意識のうちに抜いてしまうことがあり、特定の部位に集中するといった場合もあるようです。無理やり抜いてしまうため、毛穴が傷ついて炎症を起こしたり、毛が生えてこなくなるといったケースも少なくありません。
また、自覚はしているが癖になってしまいやめられないなどの理由で、嫌悪感を抱いてしまうことも。

トリコチロマニアは子供や思春期に多く見られますが、成人に発症する例も少なくありません。割合としては女性が多く、女性の薄毛の要因の1つとして考えられてきました。しかし、女性に多く発現する理由はわかっていないというのが現状です。

脱毛症との違いや見分け方

抜いてしまう場所や抜き方など症状は人それぞれですが、円形脱毛症のように特定の部位の毛が薄くなる、まゆ毛やまつげがなくなるといった特徴があります。毛先がざらざらしているなど、ちぎれたような跡が多いと言われています。
手の届く範囲や利き手側に多く見られ、1日に短時間で済む場合もあれば何時間も費やしてしまうことも。

脱毛症との大きな違いは、自分の意志で毛を抜いてしまうというところにあります。脱毛症は皮膚疾患ですが、トリコチロマニアは精神疾患の1つであることが大きな違いでしょう。

トリコチロマニアの原因

トリコチロマニアの原因

トリコチロマニアの原因ははっきりとわかっていませんが、以下のような要素が関係していると考えられています。

  • 家庭環境のストレス
  • 心理的ストレス
  • 欲求不満の解消
など

家庭環境のストレス

幼児、子どものトリコチロマニアの原因は家庭環境のストレスによるものが多いと考えられています。家庭内の緊張や学校、受験、習い事などが負担となり、不安やストレスにさらされると発生しやすい傾向があります。

心理的ストレス

大人の場合も心理的なストレスに起因することが指摘されてきました。職場のストレスや自分の時間を持てないこと、不眠症などの心理的な抑圧が原因とされています。
また、他の精神疾患が背後に隠れている場合もあり、抜毛してしまうことがストレスを呼んでさらに悪化してしまうなど、悪循環に陥ることが少なくありません。

欲求不満の解消

トリコチロマニアの原因はストレスによるものが大半ですが、欲求不満を解消するために抜毛してしまうといったケースもあります。毛を抜くことで解放感を得て気持ちが和らぐと考えられており、中には退屈を紛らわせるため、という理由も見られます。

トリコチロマニアの検査や診断方法とは

まずは薄毛の原因がトリコチロマニアか脱毛症であるかを見極める必要があります。
円形脱毛症との類似点が多く、円形脱毛症は毛が細くなる特徴がありますが、トリコチロマニアの場合はちぎれた跡が残っているため患部の観察で診断されます。

診断基準はDSM-5というガイドラインを基準にしており、体毛を繰り返し抜いてしまう、体毛を抜くことで支障が出ている、やめようと試みているなどが判断される部分です。 抜毛によって苦痛や日常に支障が出ている場合はトリコチロマニアであるとされることが多いようです。

また、いつも帽子をかぶっている、髪が濡れたり乱れることを極端に避ける、不安そうにしているなどの基準が多くあてはまる場合はトリコチロマニアである可能性が否定できません。自分や身近な人に当てはまる場合は、適切な医療機関に相談してみましょう。

トリコチロマニアの治療法

トリコチロマニアの治療法

トリコチロマニアは年齢を重ねるごとに自然と治ることがありますが、中には以下のような治療が必要な場合もあります。

  • 薬物療法
  • 認知行動療法

認知行動療法

認知行動療法とは薬を用いずにアプローチして治療を行う方法のこと。抜毛を無意識に行ってしまうことが多いため、抜毛を始めたり始めそうになったことを気付かせて記録するという訓練を行います。

また、抜毛しそうになった時に別の行動を行うように練習する対応反応訓練や、抜毛が1人でいる際に多く見られるという特徴を生かして、鏡を設置したり周囲の目を置くなどの対応も行われています。

セルフモニタリングを行うことで通院することなく克服する例などもあるため、認知行動療法は用いられることが多い治療方法です。

薬物療法

トリコチロマニアは精神面のストレスが原因であるとされるため、抗不安薬やSSRIなどの薬による治療が用いられることがあります。SSRIとは選択的セロトニン再取り込み阻害薬と呼ばれる薬で、発毛を促進するような効果はありません。

トリコチロマニアそのものに効果がある薬はなく、強迫性障害やパニック障害、うつ病の治療に使用される薬が処方されることが多いようです。

トトリコチロマニアは焦らず原因にアプローチしましょう

ご紹介した通り、トリコチロマニアは精神的なストレスが原因であることが大半を占めています。そのため、ストレスのもとにアプローチして解消する、気分転換してストレスを和らげることが有効的です。

確実に治せる治療方法は存在しませんが、改善することは可能です。不安を感じた場合は、専門機関や病院を受診してカウンセリングを受けてみることをおすすめします。

この記事の監修 アンファー株式会社

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化粧品・サプリメント・健康食品・専門医師監修によるクリニック専売品などのオリジナルエイジングケアプロダクツの研究開発及び製造・販売・卸業務。

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エイジングケア分野のNPO法人・研究団体の活動を支援するとともに、専門医師・大学機関との共同研究を通じ、研究・開発を進め商品を製造。